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岩瀬労に言わせろう!

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騒音と油の中から

 産業能率大学が今年の新入社員(500人弱)が選んだ理想の上司を発表した。男性はヤクルトスワローズ選手兼監督の古田敦也さんで、女性は女優の黒木瞳さんが選ばれたらしい。古田監督は球界全体を引っ張るリーダーシップが、黒木さんは仕事と家庭を両立させた姿が評価されたようだと読売新聞は報じている。組織の中で働くならば、できるだけいい人と働きたいし、まして自分では選べない上司にはできるだけいい人を希望するのは、当然だろう。
 
  T自動車が四年連続で最高益一兆三千億円台で前期より十五パーセント程度増え、売上高では二十兆円前後になるらしい。国内では苦戦したものの、北米やアジアが好調らしい。
いずれにしても、凄いことだ。売上高で一兆円計上できる企業を数えてもそんなにないと思うのだが・・・。営業益が一兆円とは・・・。徹底した能率生産ラインを構築し、カンバン方式に代表される無駄を切りつめたT社独自の経営戦略があって、初めて可能になったのだろう。社員の一人一人の力の結集の賜だろう。一台の自動車がおよそ一万種類のパーツで、出来ていて、どのパーツひとつなくても正常に動かないのと同じく、油だらけの一工員さん一人の力がなくても、なしえない業績であろう。また、併せて忘れてはならない大事なことがある。T社を支える協力会社、所謂<下請け企業>の存在だ。
 
  下請け会社と一言に言っても、孫請け、ひ孫請けの何重もの産業構造になっている。それこそ最下部の会社、いや会社の体をなしていない<父ちゃん母ちゃんの家内工業>が協力しているからこそ、連続最高益が維持出来ているのだ。トップダウンで親会社から例年のように20パーセント前後のコストダウンを要求され、応えなければ仕事が貰えず、苦しさ承知でコストダウンを飲み、四苦八苦して製造した汗と涙が染みついたパーツを供給し続けてる協力会社の存在なくしては、なしえない業績である。この業績発表に触れた人の中で一体何人の人が、考えただろう・・・職場に<古田さん>も<黒木さん>もいない機械の騒音と油まみれの仲間しかいない職場の弛まぬ労働があってこそなしえた業績だということを・・・。
2006/4/25
by iwaserou | 2006-04-25 23:26 | Trackback | Comments(0)
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