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カテゴリ:読書感想文(お薦め度付き)( 21 )

「官能美術史(ヌードが語る名画の謎)」池上英洋・著<ちくま学芸文庫>を読んだ


<いわろう>の義妹は画家である。銀座の裏通りでしばしば、個展を開く程度である。その都度、最終日には必ず、彼女の作品群を観ることになる。それは、単なる鑑賞のためでない。展示品を個展会場から運び出す撤収要員に駆り出されるのだ。一応男手ということで、50号とか60号という、大きな作品を専門に路上に停めたトラックまで運ぶのだ。


裏通りと言っても銀座のこと、夕暮れの人通りはハンパでない。一糸まとわぬ裸婦とか、股間露わな男性画など、当然衆目の的となる。あの手の作品は、うす暗い展示場だからこそ、それなりに鑑賞できるのだが、日常の中へ放り出されると、実にエロっぽい代物だ。俄か撤収要員はドギマギするばかりだ。


そんな<いわろう>だから、裸婦画に対する免疫は、一般男性よりある方なのだが、義妹の描いた裸婦像以外には、敏感に反応するのは、正常男性であることの証だ。先日、次に読む本を本屋さんで物色中のこと。まず「官能」というタイトルのハシクレが目に飛び込んできた。<いわろう>の好きな二文字である。さらに、サブタイトルの「ヌードが語る名画の謎」と来れば、読まずにおけない。


早速、図書館へリクエストした。


いかなる本も、ひとつでも得るところがあれば、ヨシとする!をモットーにしている<いわろう>だが、美術史を学ぶという高尚な行為から大幅に外れ、エロ本を紐解く心境で、本書の得るところを模索した。そして見つけたのだ。


ギュスターヴ・クールベの描いた<世界の起源>は、注文主が個人的に楽しむために依頼した、純粋にポルノグラフィックな作品である。ギュスターヴ・クールベは、写実主義の創始者である。それは、もう~写真を超え、体温まで感じるほど写実的に描かれている。対象物がなんであるかは、ネタバレになるから、ここでは控えておこう!


本書は<いわろう>のように、「エロ本」を見るような、スケベ眼で愉しむ本では決してない!あくまでも美術史を真面目に学ぶ学術書として、開いてほしいお薦めの一冊である。


官能美術史: ヌードが語る名画の謎 (ちくま学芸文庫)

池上 英洋/筑摩書房

<いわろう>のお薦め度 ★★★★★

<いわろう>のお薦め度規準

(独断と偏見です。あしからず)

★★★★★蔵書にして読み返したい

★★★★☆読みごたえありでお薦め

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by iwaserou | 2018-09-25 21:26 | 読書感想文(お薦め度付き) | Trackback | Comments(0)

「吉原と日本人のセックス400年史」下川耿史X永井義男・<辰巳出版>を読んだ

先週の金曜日、取引先のY部長と飲み食いした。今月の二度目の三連休とあって、遊びモードが勝ってか、仕事のノリがイマイチだったので、「気持ちの切り替えでもしますか?」と、Y部長を誘ったのだ。Y部長はC社の購入品調達の責任者なので、一応世間でいう接待に当たるが、Y部長とはなぜかウマが合うので、ちょくちょくご一緒する。


「遊廓というのは、豊臣秀吉が京都に開設したのが始まりですってね~~~~」


<いわろう>は、先日読み終えた本書の受け売りをY部長に振ってみた。「突然だね~~岩瀬さん!」好色家を自認するY部長でさえ、さすがに引けたようだが、「そういえば・・・」と、Yさんの若かりし日の面白い話を引きだすことに成功した。


「もう~四半世紀も前のことだがね・・・」で始まったYさんの話。悪友たちとM市のソープに行ったんだが、待合室には客が溢れていたよ!やっと自分の番が回って来た時は、すでに身もこころ消チンしていたけど、すでに前払いを済ませているので、その分は取り戻すべく、気持ちもアソコも振い立たせたらしい。


案内された部屋には、場違いな初老の女性がいた。還暦なんかとっくに越えている老婆がね・・・。水みたいな薄いウイスキーを接待してくれるんだよ!そんなモンいらんから、コトに急ぎたいYさんはイライラしていたら、なんと!その老婆が着ているものを脱ぎ始めるではないか。


その状況を見て、Yさんの腰は浮きかけたのだが、支払った分を回収するという、立派な大義名分がある。泣く泣く、そのバアさんとコトをいたしたということだった。


ところで、本書の受け売りで恐縮だが、「 客が初めて遊女を指名したときを初会という。二回目を裏、あるいは裏を返すといった。三回目から馴染みと呼ばれる」とか、「盆踊りは中世の念仏踊りから起こったもので、最初から男女の乱交を伴ったレジャーだった」とか、「夏の盛りに、汗を出し切った女性の尿ほど美味しいものはない」など、ソッチ方面の知識を得たい!好き者には楽しめる内容が満載でオススメである。


生涯現役!元気のヒミツはすっぽん!30年の実績サプリ<パワーライフ>



吉原と日本人のセックス四〇〇年史

下川 耿史,永井 義男/辰巳出版

<いわろう>のお薦め度 ★★★★☆

<いわろう>のお薦め度規準

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by iwaserou | 2018-09-23 18:05 | 読書感想文(お薦め度付き) | Trackback | Comments(0)

「死ぬほど読書」丹羽宇一郎・著<幻冬舎新書>を読んだ

<いわろう>は、読書好きだが、「遅読家」なので、年間100冊そこそこしか読めない。速読法をトライしたことも数回あるが、いまだ身についていない。なので、夢の年間300冊読破を実現するのは、まだまだ先のことのようだ。そんな<いわろう>が、本書のタイトルを見て、読まずにいられようか?


<いわろう>は、暇さえあれば1ページでも、半ページでもなにがしかの書き物を読んでいる。薬の効能書でも、スマホの取説でも、求人広告のチラシでも、とにかく文字を追っているのが、性分にあっているのだ。文字を目で追っていないと、何だか落ち着かない。これには、「文字離読症候群」という病名でもつけられそうだ。


<いわろう>は、中学生のころは、武者小路実篤、高校生のころは、星新一、大学生のころはヘルマンヘッセや安部公房に夢中だった。最近ではあらゆる部門を手当たり次第である。小説は女流作家のものを特に好み、仕事柄工学関係の専門書も結構読む方だ。ところが時代小説はいまだに、なじめないのである。


その読書術は、まず書店に出向き、タイトルが刺さり読みたくなる本を探し出す。そして、市立図書館へネット経由でリクエストする。二週間の貸し出し期間中に、アッチ読みコッチ読みして2~3冊程度並行して読み進めている。


本書では、伊藤忠商事前会長、元中国大使でビジネス界きっての読書家・丹羽宇一郎が、本の選び方、読み方、活かし方、楽しみ方を惜しみなく披瀝している。「読書の真価は生き方に表れる」とまで、言い切っている著者。


「問題は人との関係であり、一人で解決するものではない。他人への想像力と共感が、解決へ導いてくれる。問題がある限り、またそれを解決する答えも必ずどこかにある。問題があるということは、生きている証だ。問題があることを喜べ」という。本書のこの一節が、<いわろう>の人生羅針盤の針補正になったことは確かだ!


死ぬほど読書 (幻冬舎新書)

丹羽 宇一郎/幻冬舎


<いわろう>のお薦め度 ★★★★☆

<いわろう>のお薦め度規準

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by iwaserou | 2018-09-21 22:20 | 読書感想文(お薦め度付き) | Trackback | Comments(0)

「花宴」あさのあつこ・著<朝日新聞出版>を読んだ

「サクサク読めて、面白いわよ!」

「エ~?女優の浅野温子って小説書くの?」

「違うわよ!その浅野温子じゃないわよ!」


 カミさんが、眉間に皺寄せながら<いわろう>に薦めた本は、小説家<浅野敦子>の時代小説だった。


「え~時代小説?」「とにかく読んでごらん!」

 時代小説を毛嫌いする<いわろう>は、カミさんに押し切られ、本書を読む羽目になった。


 勘定奉行を務める武家の一人娘・紀江は、祝言の後も、かつての<男>を忘れることができなかった。うしろめたさに苦しみながらも、妻となり、子をもうけながらも、かつての婚約者の面影を追い求める紀江。すれ違う二人に訪れるのは、・・・これ以上は、ネタバレになるから止めておこう。


<かつての男のことを思い続けることは、罪なのだが・・・。けれど、どうしようもない。心とは誰のものだろう・・・>


 そんなこんな読み進めるうち<いわろう>は勘ぐった。

『もしかして?カミさんのココロの内にも<そんな男>が棲んでいる?』

だから、シグナルとして本書を強引に読ませたのだろう・・・。


『まあ!いいか!人生は一度!その人なりに納得行く人生であればいいだろう!』<いわろう>は、自分自身の<深い寛容さ>に、驚かされた一冊だ。


花宴

あさのあつこ/朝日新聞出版


<いわろう>のお薦め度 ★★★☆☆


<いわろう>のお薦め度規準

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by iwaserou | 2018-09-20 21:32 | 読書感想文(お薦め度付き) | Trackback | Comments(0)

「夫のちんぽが入らない」こだま・著<扶桑社>を読んだ

<いわろう>は、年間100冊程度の本しか読めない「遅読家」だ。ところが、<いわろう>の部屋には1冊も本はない。もっぱら、市の図書館からお借りして、読み終われば返却。そして、新しい本をリクエストし、読みつないでいる。どんなに感銘!感動!をした本でも、再び読み返すことがないので、本棚に類する家具も不要で、スッキリとしている。


今回、ご紹介する本のタイトルに、ドキリとした方も多いことだろう!


<いわろう>も、そのタイトルに惹かれ、興味本位の下世話なスケベ心でリクエストしたものの、カウンターで貸し出し処理をしてもらう必要があることをすっかり忘れていた。


この本を借りに行く当日、決死の覚悟でカウンターへ出向き、他のリクエスト本の下にそっとしのばせ、後ろも見ずに一目散で図書館を後にした。でも、貸し出し担当係の女性職員も多分保管中に、パラパラと流し読みしたであろう。タイトルがタイトルだから・・・。


ところで、「入らない」とは一体どういうことなのか?


主婦・こだまが夫との性生活の悩みを綴った私小説として、20145月、発売の同人誌に、短編エッセイとして寄稿され反響を呼んだ。それを大幅に加筆修正し、長編小説として2017年に扶桑社より刊行。発売後たちまち10万部を突破し、その年の「Yahoo!検索大賞小説部門」を受賞している。


また、一昨日(2018914日)には、講談社文庫より文庫化され発売された。さらに、フジテレビの制作によりドラマ化され、来年(2019年)には、FODおよびNetflixにて配信予定でもある。


10人いれば10通りの人生がある!といわれるが、<いわろう>は、この本で人生処世訓の羅針盤を調整し直した。遅読家の<いわろう>でも一気に読め、あなたにもお薦めできる、感動多き良書だ。


ところで、図書館への返却時には、係の女性職員に「いい本だったから、読んでみたらいいよ!」と思わずいいかけたくなる衝動をグッと抑え、堂々と表紙を上側にして胸張って返却した。


夫のちんぽが入らない

こだま/扶桑社

<いわろう>のお薦め度 ★★★★☆

<いわろう>のお薦め度規準

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by iwaserou | 2018-09-16 21:19 | 読書感想文(お薦め度付き) | Trackback | Comments(0)

「熟年婚活」家田荘子・著<角川新書>を読んだ

2010年の国勢調査によれば、75歳になると男性の約2割、女性の約6割は配偶者と死別、あるいは離別することになるらしい。人生100年時代になれば、「一人で生きることは辛いわねえ~」というご婦人が増産される勘定だ。


歳とるごとに目に見えて、進む心身の衰えと人間関係の希薄化、それらに伴う不安や孤独の中で、「ささやかでもいい!温かいコミュニケーションが取りたい」「介護者や病人としてではなく、一人の人間として受け入れてほしい」「日々消えてゆく自分の存在意義を確保したい」といった欲求が強まってくる。


それが「熟年婚活」への行動を活発化しているのだろう。


「年をいっぱい取ると子供に戻って行くと聞くが、肉欲と金欲は別モノらしい」と著者はいう。本書は、老人ホームの中で、結婚やセックス相手を探す高齢者の実態や、婚活ツアーや婚活クラブで、恋人探しをする高齢者の実態などを、密着ルポした興味津々な内容が盛りだくさんの力作だ。


「どうやら人は、命の幕を閉じる寸前まで恋ができるものらしい」と著者は言いつつ、「20代の結婚と違い、人間ができ上がってしまっている者同士の結婚は、違うものが多すぎて、とても難しい」と現実をも見据える。


著者の言う「性の老難民」が、社会問題になる日も、そう遠くではないようだ。


熟年婚活 (角川新書)

家田 荘子/KADOKAWA


<いわろう>のお薦め度 ★★★★☆



<いわろう>のお薦め度規準

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by iwaserou | 2018-09-13 21:44 | 読書感想文(お薦め度付き) | Trackback | Comments(0)

「セックスと超高齢社会」坂爪真吾・著<NHK出版新書>を読んだ

歳をとると子供に戻るといわれ、「還暦」には、赤いチャンチャンコを贈る習慣がまだ残っている。これは、還暦に生まれ直しという意味があり、「赤ちゃんに戻る」ということの名残なのだろう。でも、それは遠い昔の話。現代の60歳は、まだまだ身も心も現役だし、赤ちゃんどころか、肉欲も金欲もまだまだ旺盛である。


もともと「性は生殖の手段だけでなく、他者とのコミュニケーションの手段でもある」と著者は語り始める。ヨーロッパでは、燃え上がる春と、死に至ろうとする冬の間に訪れる季節という意味で高齢者の性を、「セプテンバー・セックス」と呼ぶそうだ。


他人の、それも高齢者のセックスライフは、特に関心があるだろう。「この一年間に性交をしたいと思ったことはどれくらいあるか」という質問に対する結果は、・・・ネタバレになるから、本書でお読みになって驚いてほしい。


「人は老いたら枯れる」というのはあくまで一面的な見方であると著者は指摘する。男性の約●割、女性の約●割は、70代になってもセックスへの関心や願望を多かれ少なかれ持続されていることに、<いわろう>は、己のセックスライフに照らせば納得する次第だ。


「生身の相手とセックスをしたい」「挿入は無理でも、裸で抱き合って温もりを感じたい」という願望の背景には「自分を一人の人間として、価値ある存在として認めてほしい」といった承認欲求が絡むことがあるとも著者は語る。


自らの人生の最終舞台で、主演・脚本・演出の権利=生と性の自己決定権をむざむざと他人に渡してしまうのは、あまりにももったいない。性は、他者との関係性を築くための最も強固な手段のひとつでもあり、自分が自分であることを確認できる手段の一つであると、著者は本書で何度も力説する。


人生100年時代もすぐそこだ!


高齢者なのに、こんなに性に執着する私は、異常なのではと、お悩みのあなたにこそ、本書をにしてほしい!しっぽの端までギッシリと餡子の詰まった鯛焼きを食べたような満腹感が得られる良書だ!


セックスと超高齢社会 「老後の性」と向き合う (NHK出版新書)


坂爪 真吾/NHK出版



<いわろう>のお薦め度 ★★★★★


<いわろう>のお薦め度規準

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by iwaserou | 2018-09-10 20:48 | 読書感想文(お薦め度付き) | Trackback | Comments(0)

「100歳までクルマを運転する」桃田 健史・著<洋泉社>を読んだ

<いわろう>は古希ながら、ほぼ毎日クルマを運転している。もちろん、趣味で乗り回しているのではない。タクシーやトラックのドライバーでもない。営業という仕事柄、客先へ訪問するのにクルマは必需品である。


都内営業なら、むしろクルマは足手まといになるだろうが、地方では断然クルマの機動力がモノをいう。そもそも、運転という行為は、「認知・判断・操作」の三つのプロセスを繰り返しおこなうことであるが、古希ともなると無意識に、それぞれのプロセスで、微妙なズレを生じてくるようだ。


先日のこと、走り慣れているはずの道路を、客先でのプレゼンの順序を考えながら、交差点に差し掛かったとき、猛スピードのクルマが、目の前を交差し走り抜けて行った。「危ない運転してるナァ~」と思いながら、ふと前方を見ると、なんと!赤信号が灯っていた。


「運転中は100%運転に集中すること!」そんな、基本も守られていない自分に愕然とした。クルマの基本である「走る・曲がる・止まる」という運動性能は、ここにきて、格段に性能アップしている。といっても、運転者のうっかりミスまで、まだまだ防いではくれないのだ。


「自己責任とは、他人を巻き込まず、自分のこととして完結する考え方ではありません。家族に対して、また地域社会に対して、自分の行動の責任を持つことです」と著者はいう


「クルマの運転はずっと座ったままなので身体にとって楽だ、と思っている人がいますが、じつはクルマの運転は、とても体力がいる作業なのです」と著者は指摘する。それは、およそ半世紀クルマを運転してきた<いわろう>が一番知っていることでもある。


著者は最後に締めくくる


家族は高齢ドライバーに対して「そろそろ免許を返納したほうがいいのでは?」と、運転をやめることを前提とした会話をしないでほしいと。条件付き運転免許の考え方を取り入れるなど、方法はいくらでもある。人生100年到来!これからは、自動運転のクルマも普及し、「100歳までクルマを運転する」ことが、一般的になるのだろう。


「運転中は100%運転に集中すること!」の基本を忘れてはならないことだ!


100歳までクルマを運転する

桃田 健史/洋泉社




<いわろう>のお薦め度 ★★★☆☆


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by iwaserou | 2018-09-09 21:41 | 読書感想文(お薦め度付き) | Trackback | Comments(0)

「すごいトシヨリBOOK」池内 紀・著<毎日新聞出版>を読んだ

<いわろう>はサブタイトルに惹かれて本書を読んだ。そのサブタイトルとは<トシをとると楽しみがふえる>である。人生100年なら、古希の<いわろう>なら、あと30年もあるのだから、もう~ひと花どころか、ふた花でも咲かせられるかもと、エロ気を出して読み始めた。


ところが、ドイツの詩人が、若いころ「老人は醜い」という、短い詩を書いたと、いきなり冷や水を浴びせられる。人生は単なる順番であるのにだ。若者を憂うな!自分も歩んできた道。老人を憂うな!自分もやがて進み行く道なのだゾ!「自分に見捨てられ、言葉に見捨てられ、世間から見捨てられるというのが、老人の特性です」と、著者は追い打ちをかける。


高名なドイツ文学者である著者は、70歳を迎えたときから「自分の観察手帳」をつけ始めたそうである。本書は、その手帳に記された「老い」に関する数々の気付きを踏まえた、著者なりの「楽しく老いる秘訣」を著したもの。軽妙洒脱な文章で、日常生活の中でふとした瞬間に感じる「老い」の現実を端的に描き出した内容が、読者に支持され人気上昇中の本だ。


意外にも読者の半数が女性だとか。会社でのかつての肩書きや、とっくにブチ切れた人脈に頼ろうとし、いつまでも自立できない男性たちへの著者の厳しい視線が、女性陣の指示を得ているのだろう。


ところで、「目歯マラ」という言葉をご存知だろうか?男が老いてゆく順番だそうだ。


そういえば、<いわろう>の場合も、老いの始まりは、知らず知らずに新聞を読む距離を、前後させている自分に気づき始めたときだった。100キンで初めて老眼鏡を買った時に観念したことを憶えている。だが、今のところ歯とマラは大丈夫である。特にマラは老いても、ますますご盛んな方でビンビンの現役である。


著者はまたいう。


「人間というのはなぜ生まれてきたのか、なぜ死ぬのか、それはもう誰にもわからない。誰にもわからないし、理由なんかないんです。生まれたのも偶然だし、死ぬのも偶然・・・」と。そこで<いわろう>は悟った。<トシをとると楽しみがふえる>とは、老人に残された「人生のご褒美の時間」なのだと。


誰にも気がねなく、人生を謳歌できるのが「老人の特権」なのだ。世間体がなんだ!社会規範がなんだ!少々のワルがなんだ!<トシをとると楽しみがふえる>ことを追い求め、それを立証する人生を送ろうではないか!


たった一度の人生だ!御同輩!


すごいトシヨリBOOK トシをとると楽しみがふえる

池内 紀/毎日新聞出版



<いわろう>のお薦め度 ★★★☆☆


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by iwaserou | 2018-09-07 22:09 | 読書感想文(お薦め度付き) | Trackback | Comments(0)

「終わった人」内館牧子・著<講談社>を読んだ

<いわろう>は、サラリーマン経験者だが、古希になってもビンビンの現役だ。不惑であるべき四十歳で独立したからだ。かつての流行語でいう「脱サラ」である。よって、定年は経験していないし、今後もすることは絶対にない。「一国一城の主」とは聞こえはいいが、現実は借金まみれの社長さんである。


脱サラで経験しなかった「定年」による心境の変化が体感できる、本書は遅読家自慢の<いわろう>ですら、サクサクと一気に読み終えたほど、おもしろくて誰かに薦めたくなる小説である。


何度か出てくる、「残る桜も散る桜」とは、雇われ身の悲哀を上手く表現している。<いわろう>が一度しかない人生なのだからと、根拠のまるでない自信をいだき、世間の荒波に飛び込んだ大きな理由は「生涯現役」を貫こうとしたからだ。


大手銀行の出世コースにいた主人公だが、その歯車が少しずつ軋みだし、子会社に出向。そのまま「定年」という生前葬を迎える。仕事を離れて、スーツにふさわしくない男には、スーツが似合わないと著者はいう。スーツはある意味、サラリーマンの勲章なのだろう。


この小説は、<いわろう>を含めた団塊世代の今日的問題提議であり、現役世代にとっても将来必ず遭遇する、避けられない普遍的テーマを、軽妙な文章で書き下ろされた問題作だとされる。それには、<いわろう>も異議はない。最近、「人生100年」と喧しい!


働き方や定年のあり方を考え直す時期に来ているといえるのだろう。


終わった人

内館 牧子/講談社


<いわろう>のお薦め度 ★★★★☆


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by iwaserou | 2018-09-05 21:53 | 読書感想文(お薦め度付き) | Trackback | Comments(0)


<いわろう>は、団塊世代のジジイです!今日も元気だ!ブログが書ける!


by いわろう

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